大東建託株式会社
デジタル営業推進部 コンサルティングサービス課 課長
2023年7月から資産運用をサポートする総合資産サービスプラットフォーム「ASSET TRANSFORMATION(アセトラ)」にリーウェイズが「不動産価値の査定・市場分析機能」を提供しています。今回は、大東建託株式会社デジタル営業推進部 コンサルティングサービス課の竹内様にお話を伺いました。
アセトラ(ASSET TRANSFORMATION)
https://assetra.kentaku.co.jp/
大東建託グループは、住宅を中心とした賃貸建物の建設・仲介・管理といった「賃貸経営受託システム」を中核に、買取リノベ再販や物流などの不動産開発、街づくりなどを手掛けています。また、介護、エネルギーなど、人々の住まいや暮らしに関わる多様なサービス、事業を展開しています。時代の進展と社会環境の変化に機敏に対応し、新たなビジネスモデルの創出など数々の挑戦を重ね、その事業フィールドも日本国内に留まらず北米やアジアなどに拡大しています。
大東建託は1974 年に創業して以来、お客様の土地活用をサポートしてきましたが、時代と共に不動産を活用した資産運用の方法(商材)も拡大し、土地オーナー様だけでなく、資産形成の観点で土地を持たない方が不動産オーナーになるケースも増加傾向にあるなど、資産運用ニーズも変化してきました。
また、社内ではコロナ禍を経て、営業活動におけるオンラインでの接点が増加しています。その手法が浸透してきたこともあり、2023 年7 月よりDX(デジタル・トランスフォーメーション)でお客様の課題を解決するために「アセトラ」サービスを開始しました。
アセトラは、資産運用に対して漠然と不安をお持ちのお客様から明確な課題をお持ちのお客様までを対象に、資産運用に関する情報提供や商談・販売・サービス提供をオンラインで行うことで、お客様の資産に関する課題や不安を解決するサービスです。
ご相談頂いた際は、資産運用コンシェルジュの専門知識に加えAIによる各種シミュレーション機能等を活用し、情報収集や現状分析、未来予測を含む解決手段を洗い出し、解決手段の比較・検証を行った上で最適な解決策をご提案しています。
最近の取り組みとしては、サイトの充実度を高めるため、不動産投資や相続・資産承継に関するコラムを増やしています。訪問者が情報を得るだけでなく、実際に資産形成に向けてどのように進めるべきかを学べる場としても活用されています。
ターゲット市場については、全国の地主様や不動産投資を検討されている方を対象としており、往来の土地活用サポートでは接点のなかった新たなお客様との出会いを創出しています。
ダイレクトセールスにおける提案品質の向上やお客様の状況把握を進めるため、営業ツールとして所有不動産の運用状況を簡単に可視化できるものが必要だと考えていました。
具体的には、営業担当者のコンサルティング能力や経験値に左右されず、お客様が保有する不動産の将来展望や課題を高度に分析し、不動産投資のリスクや収益性を客観的に評価・判断できるツールが求められていました。
これらの課題を解決するためアセトラに「不動産価値の査定・市場分析機能」を搭載することを決定し、プロジェクトを立ち上げました。
リーウェイズ社はAIを活用した客観的な分析により透明性の高い不動産価値データを提供しており、弊社としてもそのような透明性の高い分析データを提供することでお客様との信頼関係向上につながると感じました。また、膨大なデータベースと高度なAIシステムを駆使し、賃貸物件の利回りや賃料相場・空室率・将来の物件価値推移など、賃貸経営や不動産投資に必要な情報を詳細に分析できる点が大きな魅力です。
これにより、ご利用されるお客様は物件や資産の現状を定性・定量の両面から把握でき、さらに明確なソリューションを提供することが可能になります。その結果、お客様の納得のいく形で資産活用や資産形成の方法を検討いただけるものと確信しました。
また、不動産業者や金融機関でのサービス導入事例を参考にすることで、当社のお客様に対する提供イメージが明確になり営業提案の説得力が大きく向上する点も導入を決定した理由の一つです。
アセトラを運用するうえで、既存のお客様からの「相談したい」というニーズが非常に高まっていることが分かりました。特に、土地活用や収益物件の購入に関する関心は着実に増加しており、まだ具体的な商談に結びついていないケースもあるものの、確かな需要を感じています。アセトラの取り組みとして、月に1~2回、資産のコンシェルジュが税理士と共にオンラインで個別相談会を開催しており、新規のお客様はもちろん既存のお客様にも積極的にご参加いただいています。特に、相続に関する悩みを抱える方々からの相談が目立つ状況です。
また、リーウェイズが提供する「不動産価値の査定・市場分析機能」により、築古物件のオーナー様へのアドバイスの精度と提案効率が大幅に向上しました。特に、減価償却が終了した物件の収益変化をシミュレーションで可視化できるようになり、オーナー様は税引き後のキャッシュフローを正確に把握し、資産運用の意思決定をより的確に行えるようになりました。その結果、将来的に大規模修繕や建て替えを行うべきタイミングに備えたり、次世代への物件の引き継ぎ方法を考えたりするきっかけになっています。
一例として、物件の状況に応じて家賃や管理費の見直し提案を行っています。相場と比較して家賃が高すぎる、または低すぎる場合、その調整が必要です。特に、家賃を下げることで入居率を維持している場合は望むような収益が得られないケースもあるため、近隣の募集事例データに基づいて募集賃料の見直しを行ったり、リノベーションによる物件そのもののグレードアップが必要となります。
弊社では「不動産価値の査定・市場分析機能」の活用により、データに基づく合理的な資産運用が出来るよう、オーナー様の賃貸経営をサポートしています。
オンライン集客の重要性が高まる中で、アセトラの役割はますます重要になります。不動産開発や海外不動産事業でビジネス展開を生み出しており、アセトラのシミュレーション機能やオンラインでの集客強化が積極的に進められています。
また土地活用においても、アセトラを活用することで成約へ繋がるケースが増加しており、集客ツールとしての成果が現れています。認知度の向上に加えて、現場での評価も高まっており、今後さらにアセトラを必要不可欠なプラットフォームとして確立していくことが期待されています。
その中で「不動産価値の査定・市場分析機能」の機能強化が引き続き重要です。シミュレーション履歴の保存機能や、複数の保有物件・検討物件全体のシミュレーションが行える機能などを追加し、より高度な分析環境を整えていきたいです。これにより、オーナー様は過去のシミュレーション結果を比較しながら、より戦略的な意思決定を行えるようになります。また、紹介物件とシミュレーションの組み合わせによって付加価値を高め、更に多くの方々にご利用いただけるよう、利便性を高めていきます。
今後もオーナー様が安心して資産を運用できるよう、サービス内容を一層充実させ、アセトラを通じた効果的なサポートを提供し続けることを目指します。
大東建託の不動産開発事業は、始まって10年足らずの新しい分野ですが、大きな成長の可能性を感じています。私たちがこの事業に取り組んだ背景には、土地活用がさらに効果的に進められるようにという意欲がありました。土地を仕入れて新たな建物を建てること、または既存物件をリノベーションして再販する事業を加速させることで、事業の新たな柱として位置づけていこうと考えました。現在「土地活用の拡大」という目標に向けて着実に進んでいます。
その中で特に重要だったのは、販売チャネルの強化でした。これまでは主に大東建託のホームページを活用し、土地活用に関するお問い合わせを受けていました。
大東建託のブランドを基盤とした取り組みではありますが「不動産開発」や「資産承継(信託・遺言)」のような新しいサービスをより多くの人に知ってもらうためには、認知度の向上が不可欠です。そのため各部門の連携を強化し、WEBサイトの認知度をさらに高めることが重要だと考えました。特に、WEB集客を促進するための「利便性高いコンテンツ」をどう打ち出すかが大きな課題となっていました。
さらに、これまでは各サービスの問い合わせ先がバラバラで、お客様はそれぞれ仲介や資産運用のサイトや会社に個別に問い合わせる必要がありました。そこで、大東建託グループとして「ここに来ればすべてがわかる」というワンストップのサービスを提供できるように「アセトラ」という統合プラットフォームを導入しました。これにより、各サービスへのアクセスがスムーズになり、提案力や顧客満足度の向上につながっています。